フィリピン女性と離婚はできない?

当然の事ながら、日本に住む、日本人夫とフィリピン人妻のどちらも離婚に合意している場合、日本の市役所に離婚届を出す事によって、日本での離婚は成立します。

離婚届け

 

では、元妻のステータスですが、まずは、日本でのお話から、いたしますと、

 

元妻が永住権を取っていれば離婚後もそのまま日本にいることはできますが、永住権を取っていない場合、元妻は、即刻日本を離れなければならないのでしょうか?それとも在留カードの有効期限中であれば日本にいられるのでしょうか?

 

永住権については、「フィリピン女性との国際結婚に係るビザ(査証)について」のページをご参照下さい。

 

離婚をした場合でも、即刻日本を離れなければならないのではなく、6ヶ月はいられます(離婚したという届出は離婚後14日以内に入管にしなければなりません)。

 

逆に言いますと、「日本人の配偶者等」の在留資格を有する外国人の方は、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6 か月以上行わないで在留している場合、在留資格取消しの対象となります。

 

 

離婚の話からはそれて、少し余談になりますが、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6 か月以上行わないで在留している場合(別居とか)であっても、これについて正当な理由があるとき、例えば、日本国籍を有する実子を監護・養育しているなどの事情がある場合には、他の在留資格への変更が認められる場合があります。

 

<事例>(離婚に限らない)

・配偶者からの暴力(いわゆるDV)を理由として、一時的に避難または保護を必要としている場合

・子供の養育等やむを得ない事情のために、配偶者と別居して生活しているが生計を一にしている場合

・本国の親族の傷病等の理由により、再入国許可(みなし再入国許可を含む)による長期間の出国をしている場合

・離婚調停又は離婚訴訟中の場合

 

 

 

さて、再び離婚したフィリピン人元妻の話に戻ります。

 

永住権がなくても、元妻の間に子供さんがいて、元妻がその子の親権を取り、元妻にその子を扶養していけるだけの収入があれば、「定住者」への資格変更を申請して、元妻はそのまま日本に滞在することができます。

 

「定住者」の在留期間は1年ですが、子供さんを養育している間は在留期間を更新することができます。また、「定住者」の在留資格は就労制限はありません。

 

元妻との間に子供さんがいない場合、もしくは、子供さんがいても日本人夫がその子の親権者として養育している場合はどうでしょう?その場合でも、元妻が安定した職業についているなど日本で安定した生活を現実に営んでいれば、在留資格「定住者」への資格変更が認められる可能性もあります。

 

「技術・人文知識・国際業務」などの、就労ビザを取得するという可能性も考えられますが、これは学歴・職歴など各就労ビザで要求されている許可要件がクリアできる外国人のみが選択できる方法ですので、普通の主婦としてのフィリピン人の元妻には、現実的ではないと思われます。

 

つまり、例えば、IT関連技術者、機械等の設計者、新製品の開発技術者などとか、翻訳・通訳業務、服飾や室内装飾のデザイン、情報処理業務などの場合とかですし、在留資格「教育」は、小学校~高等学校で教師をしている場合です。

 

自ら会社を設立することができるだけの経済的余裕がある場合には、「経営・管理」へ在留資格を変更することもできますが、これも、普通の主婦としてのフィリピン人の元妻としては、現実的ではないと思われます。

 

学費を工面することができれば、日本の大学や専門学校に入学し「留学」ビザへ在留資格を変更することも可能ですが、これまたフィリピン人の元妻としては、現実的ではないと思われます。前述のように「留学」という在留資格は就労制限がありますし、フィリピン人の元妻にメリットはないでしょう。

 

 

 

 

さて、今度はフィリピンでの元妻のお話ですが、

 

フィリピンでは法律上「離婚」が存在しません。フィリピン人妻は離婚自体がフィリピン法で認められていないので、フィリピンではそのままでは再婚はできません。

 

離婚をするためには、裁判所に申し立てをし、これを認める裁判所の判決が必要なのです。

 

「レコグニション」と、「アナルメント」という裁判手続きがあります。

 

「レコグニション」とは、海外で適法に成立した離婚をフィリピン側で承認する離婚承認裁判です。フィリピン人の元妻は、フィリピンで再婚したければ、この「レコグニション」手続きをとらなければなりません。

 

ちなみに、「アナルメント」は、フィリピンにおける婚姻解消手続きで、「アナルメント」手続きをフィリピン裁判所に申し立て、最終的に「婚姻の解除」という判決を受けて Annulled されるか、「婚姻の無効」 = Null and Void の判決を受ける事となります。

 

 

離婚制度がない国は、バチカン市国を除けば世界でただ1カ国、フィリピンだけ。カトリック教徒が8割以上を占めるフィリピンでは、教会や保守派などが宗教と結婚とを強く結びつける考え方から、離婚制度の導入に反対してきたのです。

 

しかし、カトリック教徒が94%を占め、離婚を非合法としていたマルタが2012年に離婚を合法化したことで、フィリピンでもリベラル派を中心に「マルタに続くべきだ」との声が高まり始めました。

 

フィリピンにおいて裁判所への離婚申し立てはマニラ首都圏だけで毎月、約800件にのぼり、その大半が女性で、92%がカトリック教徒だといいます。しかし、離婚申し立てに始まる裁判手続きは長期にわたり、費用がかかるだけではなく精神的苦痛も伴いますので、裁判所に離婚申し立てをしないまま何年も別居生活をし、新しい「夫」や「妻」、子供がいる男女は数知れないようです。

 

 

 

閑話休題。

 

 

最後に、日本人夫のお話ですが、

 

フィリピン人妻と離婚した日本人夫は、日本で再婚できます。

 

では、フィリピンではどうでしょうか?フィリピン人妻と離婚した日本人夫は、フィリピン人女性と再婚できるのでしょうか?

 

「本来であれば、フィリピンにおいて前婚姻の事実が存在している以上、何らかの手続きをすべきところですが、実は、単に日本法の離婚だけで、特別な手続無しで再婚する事が可能となっています。   中略   一部の情報ではフィリピンでは婚姻の情報が残っているので、日本人も再婚ができないとか重婚で訴えられるといわれているようですが、これまでに重婚を理由とする訴訟が起こされ敗訴したなどの事実が確認できていない以上、実務的には別段の手続きは不要と考えられます。尚、フィリピンの役所の一部では、日本人のフィリピンにおける婚姻状況の確認がなされ、前婚について存在が確認された場合に、婚姻許可証の申請を拒否したり、同許可証の発給をしないところもあるようです。」

(フィリピン関連専門の大塚行政書士事務所からの引用)

 

 

のようです。

 

 

 

 

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