1. 良く知られている日本の曲
何と言っても、宇多田ヒカルの「ファーストラブ」と、高橋真理子の「フォーユー」です。お見合い相手の多くは日本語の歌詞で歌えるでしょう。どうぞ練習していって、デュエットして下さい。
あとは、徳永英明の「最後の言い訳」、竹内まりやの「シングル・アゲイン」、長淵剛の「乾杯」、浜田省吾の「もうひとつの土曜日」などの日本の曲がカバーされていて、みなさん知っています。
お見合い相手の彼女たちに馴染みがある曲を歌えば、すぐに彼女たちと仲良くなれます。
2. 特有の2つの動作
まず、挨拶する時ですが、両方の眉毛を上げて挨拶することがあります。非常に小さなジェスチャーですが、ジェスチャーが小さいからといって、これはあなたを軽視しているわけではありません。あなたも笑みを浮かべて、両方の眉を上げて、挨拶を返してください。
また、何かを指す時に、唇を一瞬突き出して、指し示すこともあります。これもまた、非常に小さなジェスチャーですが、ジェスチャーが小さいからといって、あなたを軽視しているわけではありません。
3. サリサリストア
あちこちで見かけられる小規模雑貨屋さんの呼び名です。
サリサリとはタガログ語で「なんでも」という意味です。
タバコは一箱ではなくて、1本から買うことができます。食用油や酢も1瓶単位ではなくて、少量だけを買うことができます。トイレットペーバーも1ロールだけ買うことができます。
4. 食事の仕方
右手にスプーン、左手にフォークです。
スプーンでおかずをちぎりながら、フォークを使って食事をします。
ナイフは使いません。
ご飯・おかず・スープが出たら、全てご飯の上に乗せて、かき混ぜてから食べます。
ちなみに手の指をうまく使って直に食べる事もありますが、これは、カマヤン スタイルといいます。
5. OFW
Overseas Filipino Worker。外国で働くフィリピン人のことです。
人口の約1割にあたる828万人が、海外で働いていると言われています。
ホテル・レストラン・売店などの従業員、メイド、介護士、船員、建設労働者から、医師・看護士・薬剤師、会計士、弁護士まで様々で、海外就労者の約6割は女性です。
行き先は、サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)・クウェートなどの中東や、香港、台湾、シンガポール、マレーシアなど多くの国にわたっています。
ある推計によると、家族から一人OFWを出せば、なんとか一家族暮らしていけ、国民の半分以上がOFWによって養われている計算になるようです。
ちなみに、空港の入国審査の際、OFWと書いてある看板が出ている列がありますが、これはOFW専用カウンターなので、空いていても、空港職員の誘導がない限りそこに並んではいけません。
6. GRO
Guest Relation Officer。直訳すれば接客員(ホステス)。
カラオケ店やクラブの、コンパニオンを指します。
hostess(ホステス)という言葉が、売春婦というニュアンスを含むようになったので、GROという言葉の方が、より中立的な言葉として好まれ、使われます。
7. 財閥
フィリピン経済の8割程は財閥が占めていると言われています。大きく分けて、中華系とスペイン系があります。
i. シー財閥 Sy Family (中華系)
フィリピン最大の商業銀行であるBDOや、フィリピン最大の小売グループSMグループを持つ。ファーストリテイリングが合弁でユニクロを展開している相手もこのSM。シー財閥を率いるヘンリー・シーはフィリピン一の大富豪。
BDO (banco de oro)
SM モール
ユニクロ
ii. コファンコ財閥 Cojuangco Family (中華系)
マルコス政権時代、政商としてココナッツ利権を私し、大財閥を築いたダンディン・コファンコ(エドアルド・コファンコ・ジュニア)。一代記「フィリピンを乗っ取った男」も出版されている。
コラソン・アキノ元大統領はコファンコ家出身だが、戦前からコラソン・コファンコ・アキノのホセ・コファンコ家と、エドゥアルド・コファンコ(=ダンディン)のコファンコ家とは対立しており、別の財閥として分けられている。
ベニグノ・アキノが暗殺された時に滑走路の警備にあたっていた兵士の中の一人は、アキノ暗殺の黒幕は、ダンディン・コファンコであったと証言している。
マルコスは独裁権力のもとで、ファミリーや盟友にボロ儲けが可能な事業の実質的な独占権を与え、そのアガリを自分の口座に振り込ませた。そこには日本企業の影もちらつく。コファンコは、砂糖とココナツの利権を足場にのし上がり、フィリピン最大の食品・飲料会社サンミゲル社や複数の銀行を保有する。サン・ミゲルと言えば、キリンが48%の株式を保有していることで有名。
サンミゲル
iii. ルシオ・タン財閥 Lucio Tan Family (中華系)
前述のように、マルコスは独裁権力のもとで、ファミリーや盟友にボロ儲けが可能な事業の実質的な独占権を与え、そのアガリを自分の口座に振り込ませた。ルシオ・タンも、マルコスに取り入り、勢力拡大。PNB銀行を有し、タバコの分野ではフィリピン市場の約80%を牛耳る。フィリピン航空を保有しているのもこの財閥。
フィリピン航空
PNB銀行
iv. ゴコンウェイ財閥 Gokongwei Family (中華系)
大手小売ロビンソンズを運営するのもこの財閥で、日本側との合弁で、ミニストップやダイソーを展開している。セブ・パシフィック航空も持つのもここ。
セブ・パシフィック
ロビンソンズ
ミニストップ
ダイソー
v. アヤラ財閥 Ayala Family (スペイン系)
マカティ地区の開発やグリーンベルトの開発で有名。1800年代にスペインから移り住んだ大司教、アントニオ・ドゥ・アヤラがその始まり。19世紀末にカトリック教会から譲り受けた広大なマカティ地区をはじめ、各地で都市開発を推進してきた。
所有する著名なショッピングモールは、グロリエッタ、グリーンベルト、トライノーマ、アヤラセンターなど。
日本側との合弁で、ファミリーマートを展開する。
グロリエッタ
ファミリーマート
vi. ロペス財閥 Lopez Family (中華系)
フィリピン最大の放送局ABS-CBNや電力会社のメラルコ(Meralco)を保有する。
vii. マリアノ・ケ
マーキュリー ドラッグストア
viii. アルフレッド・ラモス
フィリピン第1位の書店チェーン「ナショナル・ブックストア」や石油掘削会社の「フィロドリル社」を保有する。
8. ボス! ミス!
自分の上司でなくても、レストランのウエイターさん、タクシーのドライバーさん、コンドミニアムの守衛さんなどを、「ボス!」と呼んであげると、相手も気持ちよく応じてくれますし、言った方もスマートでかっこいいです。
ウエイトレスさんを呼ぶ時だったら、「ミス!」です。ミスといっても、単なる呼びかけの言葉なので、相手が年増であろうが、結婚していようが、それはどうでもよいのです。
9. スモーキーマウンテン
スモーキーマウンテンと呼ばれていたマニラのトンド地区のゴミ山は、既に、閉鎖されています。現在では、ケソン市のパヤタスと言う場所が、(第2の)スモーキーマウンテンと呼ばれています。
スカベンジャーとは、ゴミやクズを拾い集めて生活する人たちのことです。
スクウォッター squatterとは、他人の敷地や家屋の不法定住者、またはそうした住宅のことです。
私有地なら、追い出されるのは必至でしょうが、川沿いは防災の関係で一定の範囲は国有地となっているため、行くところがない人が住みつきます。行くところがなくなって来た人も多いから、そこの住人以外にとっては、危険な地域と言うことができます。
スクウォッターエリア
10. バロン・タガログ Barong Tagalog
男性が正装として着る上着。通常のビジネスで着るものと、とても高価でフォーマルな時に着るものがあります。両サイドにスリットが入り、胸の部分を中心に刺繍が施されていて、ズボンからシャツの裾を出して着る礼装です。
11. バハラナ
バハラナ とは「神様がなんとかしてくれる」、つまり「何とかなるさ」ということ。一般的にフィリピン人は先のことを計画したり、慎重に物事を考えて行動しません。最終的には何とかなるだろうと楽観的に考えるのです。
12. タグリッシュ Taglish
タガログ語(Tagalog)と英語(English)が混ざったもの。
How are you na? など文章の最後にNa(な)を入れる。ほかにはLet’s eat na とか。それとE(え)をいれるときもある。Not possible e。
ちなみに、シンガポールだと、Singapore+EnglishでSinglish(シングリッシュ)と言われ、Lah(らー)を入れる。Ok lah とか No need lah とか。
13. マノポ
年長者に対して尊敬の意を表す挨拶の身振りで、年長者の前でひざまずき、右手を両手で持って、自分の額に押し付けるという伝統的な習慣がある。
子供たちはこのジェスチャーを通して、年上の人に尊敬の意を表すよう教えられていて、年上の人からの好意を受け取ることを意味している。
14. ティト Tito
おじさん。
ちなみに、ティタ Tita はおばさん。
ニノン Ninongはゴッドファザー
ニナン Ninang はゴッドマザー。
15. バランガイ
最小の地方自治単位であり、村、地区または区を表す独自のタガログ語。全土で合計41,995のバランガイがあり、バランガイキャプテンが治める。
16. INC
Iglesia ni Cristoイグレシア・ニ・クリスト。1914年7月27日にフィリピンでフィリピン人マナロFelix Manaloにより創立されたキリスト教会。英語の正式名称はChurch of Christ。創立者マナロ(2009年8月没)を〈神の最後の使い〉と規定する独自の教義をもち,この教会の信徒となる以外に救いはあり得ないとする立場を堅持している。
17. ウータン・ナ・ロオブ utang na loob
直訳すると「内なる負債」という意味。この負債とは、絶対に完済されない負債で、両親と後援者に対する絶対的な恩義。自分を育ててくれた目上の人には、過度と言っても良いほどの厚い忠誠心を示す。
18. パキキサマ pakikisama
グループの意思に譲歩すること、または、集団と強調して上手くやっていくことという意味。これはアメリカ人の個性の主張や個人主義とは対立する概念で、協調性がなく単独行動を好むフィリピン人は無礼・不作法と見なされる。
職場や社交の場において、フィリピン人は反対意見を直接述べようとしない。「~ではないのでしょうか」と質問形にして間接的に表現したり、または単純に沈黙という形をとる。
19. カババヤン
同胞、同国人、同郷人という意味。海外でカババヤンに出会う時、フィリピン人は「つながり」を認識して、特別待遇をしようとする。
20. バヤニハン
助け合いと言う意味。引っ越しの時、困ったことがある時は、地域の皆で助け合います。フィリピンでは近所の人も、家族同様大切にします。皆で協力することにより仕事がはかどったり、新しい友達ができたりするからです。
21. ビレッジ
高級な住宅地。ビレッジにはゲートがあり、守衛も立っていて、部外者は立ち入り禁止。
22. サブディビジョン
一般の住宅団地
23. バリックバヤン・ボックス Balikbayan Box
海外のフィリピン人が祖国の家族等に物品を大きな箱に詰めて送る
24. ニックネーム
フィリピン人はお互いを愛称で呼び合うのが好きです。たとえば“えくぼ”というニックネームだったりします。夫婦はお互いを「マミー」「ダディー」と呼び合います。それと同じ言葉を繰り返すこともよくします。例えば「JUN」という名前だったら「JUNJUN」と呼んだり、Daidai、NOINOIなど。
25. フィリピンに進出する日本食レストラン - 外資規制
レストランビジネスは小売業に分類されるが、他の小売業と異なり地場資本保護の意識の強い分野に属し、ネガティブリストAの外資参入禁止分野の3「払込資本金が250万米ドル未満の小売業」に該当し、原則、外資の参入が禁止されている。
ただし、ホテル内に立地する場合には、外国人資本によるレストランビジネスは許可される。100%外資も認められるが、ホテルの資本に一部でもフィリピン資本が入っている場合には、その相手が1%以上の資本を持つことが要求される。したがって、100%外資で作られたホテル以外には、100%外資レストランはないということになる。
払込資本金250万米ドルをクリアできるのであれば100%外資で許可される。